窓口業務を効率化!医療機関におけるキャッシュレス決済導入のメリットと課題

窓口業務を効率化!医療機関におけるキャッシュレス決済導入のメリットと課題

近年、キャッシュレス決済は飲食・小売りを中心に急速に普及し、私たちの生活に欠かせないものとなりました。しかし、医療機関においては、「実際には課題も多いのではないか」「患者さまのほとんどが高齢者だから、現金払いが主流なのでは?」といった疑問や懸念から、導入に踏み切れていないケースも少なくありません。
「会計業務を効率化したい」「患者満足度を高めたい」と考える医療機関の運営に携わる皆さまにとって、キャッシュレス化は避けて通れないテーマです。

この記事では、医療機関におけるキャッシュレス決済の課題や、導入の具体的なメリット、そして失敗しない選び方について詳しく解説します。

キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済とは、紙幣や硬貨といった物理的な現金を使用せずに、電子的なデータの送受によって商品やサービスの代金を支払う方法を指します。

主な手段としては、クレジットカード、デビットカード、電子マネー(交通系・流通系)、QRコード決済などが挙げられます。消費者にとっては「多額の現金を持ち歩く必要がない」「ポイントが貯まる」などのメリットがあり、事業者にとっては「レジ締めの短縮」「レジ過不足の防止」などの利点があります。

キャッシュレス決済で代金が入金される仕組み

患者さまがキャッシュレス決済で代金を支払ってから、医療機関に売上金が入金されるまでには時間差(タイムラグ)があります。

これは、決済時にその場で承認(オーソリゼーション)が行われた後、一定期間の売上データが決済代行会社などを経由して集計され、後日まとめて精算・振込が行われるという仕組みのためです。そのため、現金決済のように「その場の売上が即座に手元資金になる」わけではない点に注意が必要です。

キャッシュレス決済の現況

少し情報が古いですが、経済産業省が2021年時点で実施した調査によると、回答した店舗におけるキャッシュレス決済の導入比率はすでに72%に達していました。業種別にみると、飲食業・小売業・観光業などでは導入が進んでいる一方で、一次産業・製造業・建設業などでは導入が進んでいないという結果が出ています。

出典:キャッシュレス決済実態調査アンケート 集計結果


店舗側の導入状況に対し、利用者側の視点で見ると、キャッシュレス決済への移行は最新データでさらに顕著になっています。

経済産業省の発表によると、2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%に達しました。
政府が掲げていた「2025年までに比率4割程度」という目標はすでに達成されており、堅調な拡大を続けています。

さらに政府は、将来的な目標である「キャッシュレス決済比率80%」に向けて、新たに「2030年までに65%」という中間目標を掲げました。こうした流れを踏まえると、患者さまが「医療機関でもキャッシュレスで支払いたい」と考えるのは、ごく自然なことだと言えるでしょう。

出典:2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました

キャッシュレス決済の導入が進む背景

なぜ、これほどまでにキャッシュレス決済の導入が求められているのでしょうか。主な背景として、利用者目線と加盟店目線の双方から以下の理由が挙げられます。

利用者目線

スマホの普及:日常的な支払いをスマートフォンで完結させる層が増加しています。
ポイント経済圏の拡大:ポイント還元を重視し、現金よりキャッシュレスを選ぶ消費者が増えています。
会計時間の短縮:スムーズな支払いで待ち時間を減らしたいというニーズが高まっています。
現金(高額現金)を持ち歩かない文化:多額の現金を持ち歩くことへの抵抗感が増しています。

加盟店目線

レジ締めや現金管理の手間軽減(深刻な人手不足): 店舗や施設においてスタッフの確保が難しくなっており、限られた人員でいかに効率よく会計業務を回すかが課題となっています。
顧客ニーズ、インバウンド需要:訪日外国人の増加に伴い、海外で主流となっているクレジットカード等への対応が不可欠になっています。
衛生面への意識:不特定多数の人が触れる「現金」の受け渡しを避けたいという心理が定着し、非接触決済が評価されています。
ATMの減少:金融機関の統廃合やデジタル化により、現金を引き出す場が減っていることも社会全体のキャッシュレス化を後押ししています。

医療機関におけるキャッシュレス決済の課題

キャッシュレス化のメリットが多い一方で、医療機関での導入において課題や懸念とされてきた特有の理由があります。

課題は、「決済手数料」の負担です。決済金額の2〜3%程度が手数料として差し引かれるため、利益率に影響を与えることを懸念する経営者は少なくありません。また、入金までのタイムラグによるキャッシュフローの悪化も懸念材料です。

また、かつては「ポイント付与」に関する法的な疑問も導入の障壁となっていました。健康保険の療養担当規則(療担規則)によって保険診療の医療費の値引きは禁止されているため、「キャッシュレス決済によるポイント付与が値引き行為(療担規則違反)にあたるのではないか」と懸念されることがあったのです。しかし、現在では厚生労働省による解釈の整理がなされ、キャッシュレス決済に伴う一般的なポイント付与は療担規則違反にはならず、医療機関での導入も正式に認められています。

さらに、医療機関特有の事情として、「高齢者の利用が多い」という点があります。「高齢者は現金払いを好むため、導入しても使われないのではないか」と思われるかもしれませんが、最近ではスマートフォンの普及により、実は高齢層の間でもキャッシュレス決済の利用が増えつつあります。

医療機関のキャッシュレス決済の現況

医療機関におけるキャッシュレス決済の導入は近年、着実に進みつつあります。
厚生労働省が2021年に行った調査時点では、キャッシュレス決済を導入している医療機関は限定的であり、全体の普及率はまだ低い水準にとどまっていました。

しかし、近年(特に2023年度以降)は行政機関や医療機関におけるキャッシュレス決済の環境整備が進められた結果、実際の導入や利用比率は大きく向上してきています。

出典:令和3年度 医療機関経営安定化推進事業 病院経営管理指標及び医療機関における未収金の実態に関する調査研究

医療機関でキャッシュレス決済を導入するメリット

医療機関におけるキャッシュレス決済導入のメリットは、施設の規模や形態(病院・診療所)によって多岐にわたります。ここでは、経営課題に直結する3つの主要なメリットを解説します。

【財務改善】未収金リスクの低減(主に病院・大規模施設)

医療機関にとって最大の経営課題の一つが「未収金」です。キャッシュレス決済、特にクレジットカード情報の事前登録や後払い決済システムを活用することで、会計を待たずに帰宅した患者さまからも確実に診療費を回収できます。
これにより、「未収金の督促コスト」と「回収不能リスク」を大幅に低減し、健全なキャッシュフローを維持することが可能になります。

【人材最適化】窓口業務の効率化と人手不足対策

深刻な医療事務スタッフの不足に対し、キャッシュレス化は有効な解決策のひとつとなります。現金の計数やお釣りの受け渡し、日々のレジ締め作業(過不足確認)にかかる時間を劇的に短縮できます。
スタッフを「単純かつ間違いの許されない会計作業」から解放することで、「患者さまへの丁寧な対応」や「複雑な医療事務」へとシフトさせることができ、限られた人員での効率的な施設運営を実現します。

【増患・集患】患者満足度の向上とサービス強化(主に診療所・クリニック)

「現金を持ち歩かなくて良い」「ポイントが貯まる」「待ち時間が短い」という利便性は、患者さまの満足度向上や、患者さまがクリニックを選択する動機になります。特に、キャッシュレスで決済できるインフラを整えることで、「選ばれなくなる医療機関」から脱却する「サービス強化」の要となります。

医療機関におけるキャッシュレス決済の種類

医療機関でキャッシュレス化を検討する際、まずはどのような決済手段があるのかを整理しましょう。

クレジットカード決済

キャッシュレス決済のうち、最も利用されている方法です。
VISA、Mastercard、JCBなどが代表的で、高額な診療費が発生する病院などで特に重宝されます。

デビットカード決済

決済と同時に銀行口座から引き落とされる仕組みです。
口座残高の範囲内でしか使えないため、使いすぎを防ぎたい患者さまに選ばれます。

QRコード決済

スマートフォンでQRコードを読み取る、あるいは提示する方法です。
PayPayや楽天ペイなどが代表例で、専用端末がなくても導入できるため、初期費用を抑えやすい特徴があります。

電子マネー決済

SuicaやPASMOなどの交通系、WAONやnanacoなどの流通系があります。
端末にかざすだけで決済が完了するため、非常にスピーディーです。

後払い決済(BNPL)・医療ローン

最近、医療業界で特に注目されている決済方法です。
窓口で会計を待たずに帰宅し、後日アプリやコンビニで支払う「医療費あと払いサービス」や、高額な自由診療を分割で支払う「医療ローン(デンタルローン等)」を指します。患者さまの利便性向上だけでなく、窓口の混雑緩和や、高額治療への心理的ハードルを下げる効果も期待できます。

USEN-ALMEXでは、診察後の会計待ち時間をゼロにする医療費後払いシステム「Sma-pa CHECKOUT」をご提供しており、施設の運用に合わせたスムーズな導入が可能です。

初期費用や導入コストの考え方

キャッシュレス決済の導入において、多くの経営者さまが懸念されるのが「初期費用」です。しかし、現在ではこのハードルは非常に低くなっています。

導入コストを抑える手段(共同利用端末の活用)

「共同利用端末」などを活用することで端末代金などを無料にしたり、国や自治体の補助金を用いて導入費用を削減できる場合もあり、実質的な持ち出しを抑えることが可能です。

検討すべきは「月額・運用コスト」

初期費用が抑えられる一方で、「月額利用料」(システム利用料や端末レンタル代など)や、決済のたびに各カード会社等へ支払う「決済手数料」が継続的に発生します。ただし、これらは「現金管理にかかっていた人件費や時間」を削減する、「患者に選ばれる」ための必要経費と捉えることができます。単なる「出費」ではなく、「業務効率化によるコストカット」とのバランスで判断することが重要です。

キャッシュレス決済の選び方

医療機関がキャッシュレス決済を導入する際、単に「端末を置く」だけでは十分な効果は得られません。日々の会計実務をいかに停滞させず、かつ正確に運用できるかが鍵となります。選定の際は、以下の3つのポイントを重視しましょう。

医事システム(レセコン・POS)との連携

医療機関において最も重視すべきは、現在使用しているレセコンやPOSと連動できるかという点です。 システムが連携していない場合、レセコンに入力した金額を決済端末に手入力する「二重入力」が発生し、入力ミスや金額の不一致(違算)の原因となります。自動で金額データが表示される連携タイプを選ぶことで、会計時間の短縮と正確な事務処理を両立できます。

クレジットカード決済を中心とした検討

医療機関においては、交通系電子マネー等の普及率がまだそれほど高くないという現状があります。一方、クレジットカードであれば高額決済にも対応できます。そのため、入院や高額診療(自由診療等)がある場合は特に、クレジットカード決済への対応を中心に導入を進めるのが実態に即したアプローチと言えます。

窓口での運用負荷とサポート体制

決済端末の操作がシンプルであること、そして「日次・月次の締め作業がいかに簡単か」が重要です。各決済手段の売上が一つの管理画面で集計され、日々の請求データや締め単位での入金データとの照合・確認がしやすいものを選びましょう。現場の運用実態に合わせ、日々のスタッフの負担にならない仕組みを取り入れることが大切です。

医療機関の会計業務効率化には「自動精算機・セルフ精算機」が有効

キャッシュレス決済の導入とあわせて、医療機関の会計業務を劇的に効率化する手段として注目されているのが、自動精算機やセルフ精算機の活用です。
単に支払い方法を増やすだけでなく、精算業務そのものを自動化することで、窓口のあり方を根本から変えることができます。

自動精算機・セルフ精算機が選ばれる3つの理由

・スムーズな会計で窓口の混雑緩和を実現
窓口の混雑緩和に直結します。画面上の分かりやすいガイダンス付きの精算機なら、初めて利用する方や高齢の患者さまでも迷わず精算が可能で、スタッフが付き添う必要がありません。

・現金管理の負担も大幅に軽減
自動化により、お釣りの受け渡しミスが削減されます。また、ボタン一つで補充や締め作業が完了するため、日々のレジ締めにかかる時間と精神的負担を大きく削減できます。

・連動型なら二重入力の手間も不要
医事コンピュータ(レセコン)など既存システムとシームレスに連携する精算機なら、金額入力の二重入力の手間も省けます。

まとめ

USEN-ALMEXでは、全国のクリニックや病院に特化した自動精算機の開発・提供を行っています。

大規模病院向けの大型自立機から、既存のカウンターに省スペースで設置できるコンパクトな卓上型まで多様な選択肢が揃っています。スペースや動線に合わせて柔軟な導入ができるため、「待合室や受付が狭い」という医療機関でも、導入のハードルなく窓口業務の自動化・効率化を進められます。操作画面は分かりやすく、システム連携の実績も豊富です。

それぞれの施設の経営課題に寄り添い、より質の高い医療サービスに専念できる環境づくりをサポートいたします。