伊藤デンタルクリニック様について
伊藤デンタルクリニック様は、どのような歯科医院なのでしょうか?
「予防を基盤とした歯科医療を提供する」ことと、「世界水準の診療を提供する」ことを目指して2010年にクリニックを開院しました。予防と治療、どちらも最終的なゴールは「生涯にわたって患者さんの歯を守り、自分の歯を使い続けて豊かな生活をおくっていただく」ことで、このことを実現するために、私たちは日々患者さんに向き合い、寄り添い、それぞれの患者さんにあった医療をご提供しています。
かつては「削って詰める」が虫歯治療でした。これは現在の歯科医療においては治療の一部でしかありません。う蝕(虫歯)によってあいた穴を埋めるだけでは根本的な治療にはならず、穴を埋めたその日から新しい虫歯の進行がスタートしてしまうのです。虫歯になってしまう要因や傾向は日々の生活の中にあり、その結果として歯に穴があいてしまう。
これを繰り返さないためにどのようにすれば良いのかを、患者さん一人ひとりの傾向を踏まえてお伝えしてご理解いただき、行動していただく。これが本当の治療であり「予防を基盤とした歯科医療を提供する」ことの目的でもあります。
コトバで言うのは簡単なのですが、とにかく日々の積み重ね、継続していただくことが大切です。そのために私たちは、患者さんのモチベーションをどのようにあげていくのか、どう支えていけば良いのかということを常に考えて、背中を後押しするような診療を志しています。
「永久歯」はちゃんと守ってあげれば本当に永久に、すなわち生涯にわたって使えるものですから、それを実現するための診療・サポートを中心に据えてクリニックを運営しています。
クリニックの在り方についてもこだわりをお持ちでいらっしゃいますが、「診察台のない、診療室」はどのような診療室なのでしょうか?
本当の意味で虫歯が治っている状態というのは、患者さんに知識が入り、行動が変わったときなんですね。このための知識を与える場、ご自身の傾向を知っていただく場をカタチにしたものが「診察台のない、診療室」です。伝えることも診療の一部、むしろ診療の根幹であると考えていますので、伝える診療のための空間として設けています。
「見えないものは分からない」が前提にあるので、モニタを活用して視覚的に伝え、鏡を見ながら習っていただく。また、継続的に繰り返し伝え続けることも大切だと考えていますので、医師・衛生士で患者さんに関する情報を共有し、それぞれの患者さんにあったカスタマイズされた情報をお伝えする時間を診療に組み込んでいます。
導入経緯とアルメックスの製品について
自動精算機を導入された経緯についてお教えください。
実は2010年に開院した当初から自動精算機の導入は考えていました。アルメックス社の製品もホームページで情報を得てはいたものの、レセコンとの連携という垣根があって導入できずにいたのです。
なぜ自動精算機を導入するのかについては、「人が人にしっかり向き合う」ことが医療の本質だと考えているからです。ここにできるだけの時間と労力を費やしていくことが大切で、精算機という機械を導入すれば、会計業務に割いていた多くの時間と労力を削減することができる。機械にできることは機械にまかせてしまえば、ヒトにしかできない大切だと考えている時間を厚くすることが可能になる。これが自動精算機を導入した目的です。
さまざまなメーカーが機器を提供していますが、アルメックスの製品を選択されたポイントをお聞かせください。
もちろん複数社の製品を比較したうえで、アルメックス社の自動精算機を選んだのですが、最も重要視したポイントは【使いやすさ】です。操作画面のわかりやすさ、クレジットカードやQRコードリーダ(電子マネー決済端末)などの読み取り機器、入出金部の配置などの付帯設備が、実際に使っていただく患者さんの使い勝手がちゃんと考慮されたものになっているのかなど、使いやすさについてはとにかく患者さん目線、患者さんファーストで比較しました。
開発者都合で付帯設備を取り付けいているメーカーが多いと感じていましたが、アルメックス社の製品は使い勝手をちゃんと考慮しているなと感じました。
その他には、躯体そのもののデザイン、レセコンとの連携具合、どのような支払い方法に対応しているのか、などを比較したうえでアルメックス社の「FIT-A」に決めました。
導入効果について
実際に自動精算機を導入いただき、どのような効果を感じていらっしゃいますか?
導入前、診療費の支払いは窓口で対応していましたが、金銭授受の場合どんなに気を付けていても釣銭間違えなど受け渡し時の手違いがおこり、それが要因で会計締めでの誤差が発生していました。
自動精算機導入後は、すべての支払いを自動精算機で行っていますので、このようなミスが大幅に減ったことが最大の導入効果です。
働き方も変わりましたか?
会計締め処理も自動で行うことができるので業務時間が短縮されました。また、金銭授受も含めて会計業務はとても気をつかう業務なので、かなりのストレスを感じていましたが、それも軽減されました。
また、窓口での会計対応がなくなったことで、目の前にいる患者さんとのコミュニケーションに十分な時間を費やすことができるようになりましたし、電話対応もしやすくなりました。
患者さんの立場からみると、会計対応と受付対応が重なってしまうことで生じていた「待たされてしまう時間」がなくなったという点はとても良かったのではないかと感じています。
患者さんの利用状況や反応についてはいかがですか?
会計はすべて自動精算機で行っていますが、多くの患者さんは問題なくご利用いただけています。
初めて精算機を利用するときに少し戸惑う患者さんもいらっしゃるのですが、その時はスタッフが付き添いますし、一度利用してもらえれば、次回からはご自身でお使いいただけています。
アルメックスについて
検討時、導入時、導入後のアルメックスの対応についてお聞かせください。
商談の時や導入する際には、こちらが懸念していることに対して、その時点の状況を踏まえてしっかりと説明してくれましたし、導入後も多少のトラブルは承知していましたが、そのような時にも迅速に、誠実に対応してもらえました。
今後期待すること、これは要望にもなるのですが、システムとの連携をもう一段進めていただき、使い勝手をさらに向上させていただきたいと思っています。
今後について
今後のデジタル化施策について、お聞かせください。
ゆくゆくは、受付や会計などの窓口業務はなくなるのではないかと考えています。カメラとAIとシステムが連携されて、患者さんがクリニックに入ってきた時に
①院内に設置されているカメラによる顔認識で受付 ②そのまま診察室に入っていただく ③診療後もお待ちいただくことなくそのままご帰宅いただく ④診療費の精算は後払いで完了 というようなシステムは、実現可能なのではないかと思いますし、ぜひ導入したいと考えています。
また、診療予約についても、オンラインでの受付は当然のことながら、
①症状のヒアリングもAIを活用した自動応答で行う ②会話の内容をAIが解析してどのような診療が必要かを判断 ③診療に適したスタッフを選びスケジュールに基づいて予約を受け付ける という仕組みも実現されていくように思っています。
機器やシステムの導入によるいわゆるDXの推進については、業務の効率化も大切なことではありますが、先にお伝えした「人に向き合うという医療の本質」を実践するために必要なことだと考えています。
ここからは姿勢や思想的な話になりますが、先鋭的なことはたとえそれがまだまだ小さなことであっても、正しいと思えることは積極的に取り入れていくことが重要だと考えています。この小さな積み重ねをしていかないと、組織やチームはあっという間に時代にとり残されてしまう、患者さんの求めていることにお応えできなくなってしまうと思っています。
時代の流れだからではなくて、すべて患者さんファーストの視点で考えて、良いことには積極的取り組んでいくことが大切だと考えています。
著書やセミナーのご紹介
院長の伊藤様は、クリニックでの取り組みをう蝕を学ぶための実践的解説書「デンタルカリエスエッセンシャル原著第4版」および、う蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育をわかりやすく説いた「カリエスブック」という、カリオロジー(むし歯論)に関する2冊の本を上梓されています。
また、これら著書をもとにした歯科医療に関する講演や、歯科医院の在り方、医療人としての心得、経済性と道徳などをテーマした開業セミナーも、オンラインやクリニックで行われています。
□著書
「デンタルカリエスエッセンシャル原著第4版」
出版社 : 医歯薬出版
「カリエスブック」
ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育
出版社 : 医歯薬出版