清掃の質と効率を両立。ロボットと人が共に支える院内環境づくり
今回、清掃ロボットを導入された経緯をおしえてください。
来院者や見学者の方も多く来られるため、常に院内を清潔に保つという方針の下、現在、8名の清掃スタッフを抱えていますが、人手不足(求人しても集まらない)や広い院内を清掃するシニア世代スタッフの体力的な負荷が課題になっていました。これを改善するため、清掃ロボット導入の検討が始まりました。
導入したロボット「Phantas」には朝や夜間の清掃を全般的に受け持っていただき、日中はスタッフや来院されるオーナーさまや動物の往来が多い為、廊下やロビーはスタッフが、バックヤードはロボットが清掃するというシフト交替制のようなカタチをとっています。

「Phantas」を選定したポイントは何ですか?
実はPhantasではない他の製品を最初に検討し、実際にテスト導入をしたんですが、機体が思ったより大きかったことと、壁際のゴミが取り切れないという点で導入を見送ったんです。その後、他の製品を検討する中で、USEN-ALMEXの「Phantas」を見つけました。
こちらも実際に病院に機体を設置してテストをしてもらったところ、大きさも程よく、壁際もキレイに掃除ができていました。価格は以前検討していたものよりは高価でしたが、安くて思った掃除ができないのでは意味がないので、すぐに導入を決めました。

「Phantas」を導入後に、何か変わったことはありますか?
見えない部分にはなりますが、ロボットが清掃してくれる時間を時給換算すると1か月で相当な費用になるので、これを人がやっていたと考えると、人件費の削減に寄与していると思っています。 現状はロボット導入で清掃スタッフを減らしているわけでは無く、今までやっていなかった屋外の清掃等、別の業務をする時間ができましたので効率化が図れています。
機体のデザインもカッコよいとスタッフから言われますし、病院の見学に来られる海外のお客さまからも「こんな最先端のモノを導入されているんですね」と受けが良いです。
また、来院されるオーナーさまやお子さんたちから見て、スタッフによる清掃だと多少の圧迫感を感じたりするかもしれませんが、ロボットだとそういったことは無く、逆にカワイイと言ってもらえたりもしますね。
ファミリーレストラン等で配膳用のロボットを普通に見るようになったので、清掃ロボットを動物やオーナーさまがいるエリアにも出していきたいのですが、動物が怖がったり興奮してしまうといけないので、今は表に出さないようにしています。
清掃スタッフという仕事自体、あまり人気が無い職業で求人に困っている病院は多いと思われますので、今後も清掃ロボットの普及は進むのではと思っています。
今後のデジタル化施策について、お聞かせください
どんどん進めていきたいと思っています。やはり来院される方から見て「この病院はまだ、紙のカルテで運用しているんだ」「アナログなやり方をしているな」となると不安に思われてしまいますので、私たちが自ら新たな仕組みに取り組んで、動物病院全体を変えていきたいという思いが強いです。 一例として、総合病院では普通になっていますが、患者の血液検体等をバーコードで管理するようにしており、動物病院では珍しいと思っています。
今後でいうと、予約受付業務等は現在電話で対応していますが、非常に電話件数が多いのでDX化したいなとは思っています。ただし、「初診時は急患なのかどうか?」という判断が求められるので、全てではなく再診以降はネット予約等で受け付けるといったような事でも良いかと思っています。
受付や会計業務を、今は受付スタッフが行っていますが、チェックインや精算機等の導入も前向きに検討しています。 スタッフ業務を全て機械に置き換えるのではなく、混雑時の補完になれれば良いかと。
あとは、当院では、お待ちいただくこともあるため、案内までの目安時間などの表示案内なども課題です。
USEN&U-NEXTグループに今後期待することはありますか?
今回の清掃ロボットだけではなく、USEN&U-NEXTグループさまとは、院内のBGM、Goole Workspace、PC用のウィルスソフト導入等、様々なお取引をさせて頂いてます。清掃ロボットで言えば、エレベーターを使って多層階の清掃を自動でやれるようになるといいですね。あとは高所作業車で行っている窓ガラス清掃や階段の清掃ができるロボット等にも今後期待したいです。
