音・空間・人の調和で届けるウェルビーイング体験 ―― うめきた温泉 蓮が目指した理想の施設づくり
2025年春、大阪駅直結の大規模再開発エリア「グラングリーン大阪」に、都市型複合ウェルネス施設「うめきた温泉 蓮 Wellbeing Park」が誕生しました。
これまで、温浴は温浴、食事は食事と要素は別々の施設で提供されてきましたが、うめきた温泉 蓮 Wellbeing Parkでは「温浴・運動・食事・精神・美容」という5つのテーマを融合。大阪の中心地という抜群の利便性を活かしながら、日常の中に“健康”が自然と入り込むような健康増進施設の実現を目指しました。
施設内の空間演出にも強いこだわりがあり、14のエリアすべてに異なるBGMを設定しています。
エリアごとの目的や雰囲気に合わせて、USENが選曲したBGMサービス『USEN MUSIC シリーズ』を採用し、利用者の動線や過ごし方に合わせて心地よい音環境を創出しています。音楽を通じてエリアごとの雰囲気や印象を変えることで、五感に響く癒しと快適さを提供し、施設内での過ごし方そのものにメリハリが生まれるよう工夫が施されています。
この施設では、設計段階から配膳・運搬・清掃といった業務領域にロボットを活用することが前提とされていました。
業務の一部をロボットやシステム・機械が担うことで、スタッフが一人ひとりのお客様に丁寧に向き合う時間が生まれ、より質の高いホスピタリティの実現を目指しています。

6,000平方メートル(1,800坪)の運営負荷にどう挑むか? フロント・配膳・清掃を支えるテクノロジーの選定理由
施設オープンに向けて、さまざまなシステムや機器を検討していく中で、特に重視していたのが「利用者のスムーズな導線づくり」と「精算業務におけるスタッフの負担軽減」でした。
施設の広さは約6,000平方メートル(約1,800坪)におよび、日々の清掃やスタッフの移動だけでも大きな労力を要します。レストランエリアも広く、配膳や下膳の作業は手間がかかります。さらに、温浴ゾーンでは使用済みのタオルやリネン類の運搬が必要であり、水分を含んだ袋は約17kgにもなることから、現場の負担は非常に大きいものでした。

温浴施設向け自動精算機『FIT-A』
こうした状況を踏まえ、温浴施設向け自動精算機『FIT-A』に加え、本来はホテル向けに開発されたホテル管理システム『シリウスi』も、当施設の運営スタイルに応じて応用的に活用する形で導入を決定しました。

ホテル管理システム『シリウスi』
今回、『シリウスi』は他の予約・課金システムとシームレスに連携し、サイネージ表示やリストバンドキー連携、各エリアのチェックイン情報をもとにした自動課金にも対応可能であり、当施設の複合的な運営に最適なシステムとして採用されました。
さらに、連携先の各社とも密に調整を行い、施設の実情に即した画面設計や仕様のカスタマイズが可能だった点も、選定の大きな後押しとなりました。
“音”と“テクノロジー”が支える運営力―― 五感と効率に響く導入効果
BGMのゾーニングでは、想定通り「空間ごとの印象の違い」が顧客満足度に直結しているといいます。

客室テレビシステム『d.time』
フロント業務では、宿泊管理システム『シリウスi』の導入により、分かりやすい画面設計と柔軟なカスタマイズ対応が可能となり、スタッフの早期習熟と現場運用の安定化につながっています。
27室あるプライベートブースでは、ホテル客室向けテレビシステム『d.time』による施設案内や動画視聴により、お客様自身で情報を確認・予約できる利便性が評価されています。