東急ハーヴェストクラブ VIALA 鬼怒川渓翠様について
ハーヴェストクラブにおいて、VIALAというのはどのようなブランドなのか教えてください。
運営上のシステムは同じですが、心から寛げるリゾートを目指してゆとりを追求しており、従来のハーヴェストクラブをグレードアップさせたブランドとなっています。客室が広く開放的な作りで、ミニバーを備えていますし、サービス面でもドアマンやポーターが対応を行っている点などが異なります。
東急ハーヴェストクラブ VIALA 鬼怒川渓翠様ならではの特長は何でしょうか?
鬼怒川渓谷の景観が大きな魅力です。ロビーラウンジやレストランだけではなく、全室が渓谷沿いで露天風呂を備えており、自然にとても近いところでその風景美を楽しんでいただけます。
たしかに、ロビーの大きな窓の向こうに広がる贅沢な景色に驚きました。CO2削減を目指したレストランも話題ですよね。
「炅(ケイ)」は、薪火をはじめ、炭火、藁の火などさまざまな炎の力で食材の美味しさを引き出すレストランです。
素材は地元・栃木県産のものや北関東、東北の食材を仕入れています。また、契約農家さんで本来廃棄しなければならない規格外の野菜や果物を引き取って調理することもあります。
食材も調理法も自然の力を活かして一皿にし、ストーリーをつないでお客さまにご提供しています。
そこまでこだわる背景には何があるのでしょうか?
ハーヴェストクラブ全体として、訪れるお客様に「また来たい」と思っていただけるよう、「おかえりなさい」という気持ちでおもてなしするというポリシーがあります。それを積み重ねていくことで、豊かなひとときを過ごしていただけるようにと考えております。
やはりリピーターが多いのでしょうか?
はい、この鬼怒川渓翠は開業して半年ほどですが、すでに10回ほど利用してくださっているお客さまもいらっしゃいます。何度も足を運んでくださる方が多いので、お客さまとスタッフが名前で呼び合う間柄となっています。ありがたいことに、訪れる目的に「仲の良いスタッフに会うこと」を挙げてくださる方もいらっしゃるんです。
KIOSK導入の経緯
お客さまとの距離の近さを大切にされる一方で、セルフチェックインシステム『KIOSK』の導入を決められた理由について教えてください。
社会のDX化が進む中、我々も自然にその流れに乗るかたちになりました。新型コロナウイルスの流行があり、お客さまの中に非接触を求める方がいらっしゃったという理由もあります。そうした過度なサービスが不要とされるところでは省人化し、機械に任せるというスタイルを取っていくべきなのではということで、導入に至りました。
ハーヴェストクラブでは、この鬼怒川渓翠が初めての導入で、トライアルといった側面もありましたが、現在では東急ハーヴェストクラブ軽井沢&VIALAや東急ハーヴェストクラブ那須など、ほかのホテルでも導入が進んでおり、将来的には全国のハーヴェストクラブに導入される予定です。
導入にあたって他社製品と比較されましたか?
はい、弊社の別事業のビジネスホテル・東急ステイではすでに他社のセルフチェックインシステムを導入していて、鬼怒川渓翠ではそちらとアルメックスさんの製品を比較検討していました。その決定は私ではなく弊社本部の担当者が対応していたのですが、アルメックスさんから良いタイミングで魅力的なご提案をいただいたことが大きかったと聞いています。中でも決め手となったのが、カスタマイズの柔軟性です。
どのようなカスタマイズを希望されたのでしょう?
ハーヴェストクラブは会員制のリゾートホテルですので、密度の高いお客様情報を管理しています。そのシステムと『KIOSK』とを連携するのはかなりの手間だったと思うのですが、柔軟にご対応いただきました。
また、チェックアウトの11時前後フロントが混雑することが多いため、事前チェックアウト・精算ができるようにもしていただきました。そこでも専用の動画が流れるようにしたり、各部屋にあるミニバーの利用確認と支払いもできるようにしたりと、当ホテル専用にフルカスタマイズしていただいています。
今回、『KIOSK』の中でも家具組込型を選択されましたね。
鬼怒川渓翠はデザイン性の高さも意識して開発しているホテルなので、無機質な機械そのままではなく、内装のデザインや素材に調和したものになるようリクエストさせていただきました。それにもご対応いただいて、かなり広々とした空間に設置するかたちになりました。
導入後の効果やアフターフォローへのご感想
実際に使用されたお客さまの反応はいかがでしたか?
「ハーヴェストクラブにもこんな機械が入ったんだね」「じゃあ、やってみよう」と、会話のきっかけになり、使ってくださるお客さまが多いです。操作が難しくないことと、最近はコンビニなどにも自動精算機があって、みなさまも慣れているようで、想定よりもスムーズに運用できています。
稀に「ルームキーやクレジットカードの挿入口はどこ?」といった質問を受けることはありますが、ロビーのアテンドがすぐにお答えできる体制となっています。対人で1から説明するのではなく、必要な部分のみサポートするだけで、お客さま自身で進められるので、チェックインもチェックアウトも効率が良くなったと感じます。
お客さまの待ち時間も、スタッフの対応の手間も減らせているということですね。
チェックインは基本的にカウンターで受け付けていますが、混んできたときには『KIOSK』がプラスワンを担います。そして精算に関しては間違いが起こらないので、スタッフのストレスも軽減できます。
『KIOSK』がなくても、業務を回せる体制にしているものの、『KIOSK』があることで別のお客さまの対応に当たることができる。スタッフに余裕が生まれ、お客さまにはより豊かな時間を過ごしていただける、というように双方のメリットへつながっています。
初めての『KIOSK』稼働から今日まで戸惑ったことや、スタッフの反応はいかがでしたか?
初稼働させたプレ試泊から開業2日目までの3日間は、アルメックスさんにつきっきりでフォローしていただきました。「何かあっても対応してもらえる!」と思えて、とても安心感がありました。
一部のクレジットカード会社に対応していないなど、できない部分を理解するまで試行錯誤したことはありますが、何かあるとすぐに電話して、遠隔で操作してもらったり、実際にエンジニアさんに来てもらったり。迅速に対応していただけているので、非常に助かっています。
スタッフに関しても、オペレーションがほぼ固まってきた段階にあるので、みんなどんどん使っていこうという姿勢になっています。
常に相談しながらということですね。
実は現状、1度に2~3部屋予約する場合はセルフチェックインシステムを利用できない仕様になっています。しかし、こちらについてはすでにアルメックスさんに相談中で、うまくいけば年内秋には対応できるようになると聞いており、アップデートを楽しみにしています。
こうした希望を伝えるたび、アルメックスさんは「さらに良い製品の開発に繋がるから」と前向きに取り組んでくださり、ありがたく思っています。
今後の展望
最後に、東急ハーヴェストクラブ VIALA 鬼怒川渓翠様の今後の展望を教えてください。
ハーヴェストクラブも、次の時代に入るときだと感じています。
今回のアルメックスさんのセルフチェックインシステム『KIOSK』の導入や、最初にお話した地産地消や自然の力を利用し調理するレストランのようなSDGs関連の取り組みも含めて、これまでになかったものを受け入れチャレンジしていく。
特に、鬼怒川渓翠はそんな姿勢をもって挑戦し、成功事例を生み、ハーヴェストクラブにとってフラッグシップのような存在になれたらと思っています。そしてこれから開業を控える施設も新たな取り組みに挑戦し、それぞれの特色を出していけたら、お客さまがそこでしかできない体験やサービスを求めて各ホテルを巡り、より楽しんでいただけるようになると考えています。